パワースポットと神社・・・?!
パワースポットの神社へ行って来た方がいいでしょうか?
と聞かれた事があります。
最近、パワースポットという言葉が流行しています。
この言葉は、以前より使われてはいたのですが、
テレビや本でこれだけ見かけるようになったのは、近頃の事です。
パワースポットと言う言葉にどんなイメージを持つかは
人によって違うかも知れませんが、
通常、「何の努力もしないでも、そこへ行きさえすれば、幸運を得られる場所」
という感じで使われているのではないでしょうか?
もう20年近くも前の事ですが、面識のある神社の神官が、
「神社は開運のためのパワースポット」だと、提唱して、本を何冊か出しました。
私はその事にびっくりした記憶があります。
最近のブームにはそれ以上に驚いています。
まず、神社というところが、日本人や日本で生活する全ての人にとって、
それはそれは大事なところである事は、徹底して訴え続けてゆかなくてはならないという事です。
今回のブームのポイントは、パワースポットにもいろいろある中で、
主に、神社がパワースポットだという説明になっている事です。
神社は、基本的に、きわめて神聖に扱うべきところであります。
神々様のお住まいだからです。
そこへ、金運アップを願うために押しかけて、
「御利益」があっただとか、儲かっただとか言っているのは、まったくの筋違いです。
まず、神社というところは、どういうところで、何をすべきところ、
何をしてはいけないところなのかという、根本を知らな過ぎます。
神社や神社へ行って来るという事と、
私たち、肉体人間の願望、欲とは違う次元の事であり、
関係がない事なのであります。
人間の願望や、欲がいけないと言っているのではありません。
しかし、それを神社への参拝という事と直接的に結びつける事がおかしいのです。
願い事が叶うかどうかは、持って生まれたその人の運、徳、
そして生き方によって決まって来る事なのです。
そして、運命レベルをより向上させるための知識があり、
行動をしているかにかかって来るのです。
さて、近年、精神世界にとって、とても憂うべき事の一つに、
「宇宙」を、まるで肉体人間の使い走りのように教えている教え(書籍)が
氾濫している事があります。
「願い事は宇宙に注文すれば叶うんだ・・・。」というような、
題名や内容の本が、洪水のように出ているのです。
実は、この事と神社ブームには関係があるのです。
神社に行く事そのものは、むしろ、歓迎すべき事なのですが、
行くべきところに行くべきなのです。
そして、「あっちの神社は何に効く、こっちの神社な〇〇に効くスポットだ。」
などと言うのは、宇宙に「命令」すれば、何でも叶うよ、という発想と同じなのです。
神々様や神社、そして宇宙は、あまりにも偉大な、まずは崇拝すべき存在であり、
間違っても、取り引き相手や使い走りではないのです。
注文するなどと言うのは、まるでおソバ屋さんの出前か、ピザの宅配です。
このように、神々様や宇宙を手下や召使にしてしまう人たちに、
おとがめは軽くはないでしょう。
遇々、 新聞にアンケート結果が掲載されていました。
「パワースポットだと思うところは?」という質問に対して、
一番多かったのが、伊勢神宮(正式には、神宮と言います。)、
次に恐山、三番目が富士山となっています。
私はこの組み合わせにびっくり仰天してしまいました。
まず、伊勢神宮がまがりなりにも一位に入った事には、良かったと思いました。
それは当然過ぎる程の理由があるからです。
そして次に、恐山・・・。 びっくり仰天!!
恐山とは、「イタコ」と呼ばれる霊媒、(今風に言うとチャネラー)で有名な、
下北半島になる山です。
確かに霊的なところかもしれませんが、聖地ではなく、「霊地」です。
しかし、「霊地」ですから、「パワー」はあるのでしょう。
そして、三番目が富士山で、これもほっとしました。
富士は、「不二」、「不死」であり、日本のと言うより、
世界の富士と言うべきところであります。
これら、意味などの違う三つのところが、ベスト3に入っているのは、
一般の方々が神社や聖地に関して正しい知識がないためです。
ここで、私から、全国の神社関係者の皆様にお願いです。
神道の方々が、控えめで、神ながらの生活をされている事をよく承知していますが、
世の中に少しでも正しい知識を広めるために、
あまりに真実、真理と遠い情報が広まるのを防ぐために、行動をして下さい。
テレビに出てください。
全国の神社に正しい知識の小冊子を設置して下さい。
教訓: 神社は神聖なところであり、参拝させていただける事自体が、すでに「御利益」であり、業欲を叶えるための取り引き場所ではない。
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